
視力の不自由な娘三毛は、今でも乳をねだります。
母三毛は、まだ次の妊娠はしてないみたい。

「なんたってウチんとこが猫捨て場みたいになっちまってよー。
困ってんだけど、食いに来た猫には食わせないと、
追い返すったって帰りゃしねーし、勝手に上がりこんで威張りくさって、ウチの猫の餌を横取りしてよー」
おばあちゃん、男言葉です。千葉の高齢者は時々そうですね。
おおらかで大雑把な お暮らしぶりのようで、出かけるのに自宅の戸締りしないし

「食うだけ食ったら またどっか行っちまって、死んだのかと思ってると子猫連れて来たりするしよー。
子猫はみんな目が駄目で死んじまうし…。
ホウ酸水で拭いてやるんだけど、ちっとも良くならねえで…、
毎日撫でてやってるのが、か〜わいい盛りの3ヶ月くらいで死んじまうんだよなー、かなわねえよー」
ホウ酸水…。
なんだか ここだけ、昭和初期みたいな空間…。
「この前はお向かいの○○さんが入院するってんで、黒猫を表におっぽり出して鍵かけちまってさー。
ウチに来るもんだから食わしてやったけどよー」
お向かいさん、独居高齢者。
おっぽり出すのは良くはないですが、家に入れたままで入院先で予期せぬことが起きたら…と思うと、うーん なんとも

(ちなみに、後刻そのお向かいさんと話してみたら、
「(おっぽり出した)黒猫は魚屋ばあちゃんの猫だけど、うちに遊びに来てる」
と言ってました

「そんでも、あんまり増えすぎるもんだからよー、
『これじゃー、ウチも どうにもなんねえよ』
って、この子(キジトラ長毛)によーく言い聞かせたら、
次の子を落っことしちまってよー」
「落っことす」…??、
流れちゃったんですね。母体も消耗してるんだな


